おれさまラボ

実際に手を動かして理解を深めるブログ。

2020年におけるデジタル/テクノロジのトレンド14個

はじめに

ガートナーがデジタル技術トレンドと戦略的テクノロジのトレンドを発表しているようなのでそれぞれ読んでみたことをまとめておきます。

@ITだと抜粋されちゃってるので、ガートナー本家の方を読む。「戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10」と「5つのデジタル技術トレンド」は全く別ものだったのでそれぞれ読む。

5つのデジタル技術トレンド

  • マルチエクスペリエンス
  • インタフェースレスマシン
  • エージェントインタフェース
  • 顔認証決済
  • インクルーシブデザイン

📰:CIOが知るべき、2020年における5つのデジタル技術トレンド:Gartner Insights Pickup(156) - @IT

戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10

  • ハイパーオートメーション
  • マルチエクスペリエンス(5つのデジタル技術トレンドと重複)
  • 専門性の民主化
  • ヒューマン・オーグメンテーション (人間の拡張)
  • 透明性とトレーサビリティ
  • エッジ機能の拡張
  • 分散型クラウド
  • 自律的なモノ
  • 実用的なブロックチェーン
  • AIのセキュリティ

📰:ガートナー、2020年の戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10を発表

1. マルチエクスペリエンス

✅:多感覚かつマルチモーダルな未来のエクスペリエンスのこと。

😶:わかんね。


💬:マルチモーダル・インタフェース(英語:multimodal interface)は、視覚・聴覚を含め、複数(multi)のコミュニケーションモードを利用し、システムとインタラクションを行う、インターフェースの様式(modal)のことを言う。


引用:マルチモーダル・インタフェース - Wikipedia

😓:「多感覚」と「マルチモーダル」って一緒じゃね…?

ユーザーエクスペリエンスとの違いは?


💬:ユーザーエクスペリエンス(UX)とは、ユーザーがデジタル世界をどのように知覚し、デジタル世界とどのようにやりとりするかというユーザー体験の総称。ただ単に使いやすい、わかりやすいだけでなく、ユーザーの行動を導き、ユーザーがやりたいことを「楽しく・心地よく」実現することを目指した概念。


参考:ユーザーエクスペリエンスとは?初心者にもわかる事例で解説

✅:マルチエクスペリエンスとは、ユーザーエクスペリエンスの延長線上にある概念。

ユーザー体験の変化

💡:近年出現した会話型プラットフォーム

  • Siri
  • Alexa
  • Google Assistant
  • Cortana

→ 人がデジタル世界と「やりとりする方法」が変化している

💡:近年出現した人がデジタル世界を知覚する方法

  • 仮想現実 (VR)
  • 拡張現実 (AR)
  • 複合現実 (MR)

→ 人がデジタル世界を「知覚する方法」は従来と比べて大きく変化している。

✅:「やりとりする方法」と「知覚する方法」が変化することで、現実世界とデジタル世界がシームレスに交わるようになる。これを実現するUXの種類は単一ではなく、さまざまなデバイス、アプリ、モダリティ(タッチ、音声、ジェスチャーなど)の組み合わせ(= マルチエクスペリエンス)である。


💬:Multiexperience refers to the various permutations of modalities (e.g., touch, voice and gesture), devices and apps that users interact with on their digital journey across the various touchpoints.


引用:Multiexperience Development Platforms (mxdp)

人とテクノロジの関係性

従来:テクノロジに関するリテラシーを備えた人

今後:人に関するリテラシーを備えたテクノロ

✅:コンピュータが「ユーザーがコミュニケーションしている相手(人)の意図」を解釈できるようになると予想されている。

2. インタフェースレスマシン

✅:マシンの制御をモバイルデバイスアプリケーションに替える動き。モバイルデバイスの比較的大きな画面と高い解像度、豊富なデバイスAPIによって、優れたデバイス制御エクスペリエンスを実現できる。

😃:スマホで全部そうさできるようにしようぜってこと。

3. エージェントインタフェース

✅:チャットボットや音声アシスタント(会話型プラットフォーム)のような人間とコンピュータ間の新たなコミュニケーション手法のこと。

チャットボット

活用事例:

  • カスタマーサポート
  • ヘルプデスク

音声アシスタント(会話型プラットフォーム)

製品例:

  • Siri
  • Alexa
  • Google Assistant
  • Cortana

4. 顔認証決済

✅:事前にアプリに登録しておいた顔情報を使って、会計時に会計端末に顔をかざすだけで決済が完了する仕組み。

参考:顔認証がQRコードに変わる決済になる?中国で利用者1億1800万人突破 | 株式会社Showcase Gig

💡:中国で顔認証決済の活用が進んでいる。

5. インクルーシブデザイン

✅:「幅広いコミュニティーのニーズに対応する最良の方法は、存在し得る全てのコミュニティーの特別なニーズを考慮すること」という原則に立つこと。

😶:わからん。

インクルーシブとは

インクルーシブ(inclusive)とは「包み込むような/包摂的な」という意味の英単語。対義語はイクスクルーシブ(exclusive)。

参考:用語の説明「インクルーシブ」 - ヒューライツ大阪(一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター)

インクルーシブデザインとは

このサイトがわかりやすかった。


💬:身体的なものに限らず経済的や感情的、デジタルなどあらゆる領域でこれまでの製品・サービスから排除(Exclude)されていた人々を、企画・開発の初期段階から巻き込んで(Include)、一緒に考えていくデザインの方法です。


引用:人と人、社会にある課題を解決する「インクルーシブデザイン」という考え方  ──九大 平井康之准教授インタビュー(1) | あしたのコミュニティーラボ

💡:ユニバーサルデザインとインクルーシブデザインのゴールは同じだけどアプローチが異なる。

ユニバーサルデザインとインクルーシブデザインの違い

ユニバーサルデザインの7原則に基づいたデザインで、ユーザビリティー(使い勝手/機能性)を重視した考え方。7原則という基準が決まっており、できあがったデザインを検証することに向いている。

インクルーシブデザインには基準がなく、人々とともに考える「コ・デザイン(co-design)」の考え方。製品企画の初期段階からさまざまな人に参加してもらって、意見を取り入れながらデザインを創る。

ユニバーサルデザイン インクルーシブデザイン
基準 7原則 なし
利用目的 出来上がったデザインを検証すること 新しいデザインを生み出すこと

参考::人と人、社会にある課題を解決する「インクルーシブデザイン」という考え方  ──九大 平井康之准教授インタビュー(1) | あしたのコミュニティーラボ

6. ハイパーオートメーション

ハイパーオートメーションとは?


💬:複数の機械学習 (ML)、パッケージ・ソフトウェア、自動化ツールなどを組み合わせて一連の仕事を実行する概念と実装のこと。


引用:ガートナー、2020年の戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10を発表

ハイパーオートメーションをするには以下3点を理解することが大切。

  • どの自動化手段を使うか
  • 自動化を実現するメカニズムがどう相互作用するか
  • 自動化メカニズムをどのように組み合わせて調整できるか

💡:自動化の手段

  • 発見
  • 分析
  • 設計
  • 自動化
  • 測定
  • モニタリング
  • 再評価

RPAとの違いは?

  • ハイパーオートメーショントレンドの原点はRPA(Robotic Process Automation)にある。
  • ハイパーオートメーション ≠ RPA

✅:RPAは個々のツールを指す。ハイパーオートメーションは複数ツールの組み合わせを指す。人が関与する部分をいかに模倣できるようにするかがハイパーオートメーションのポイントとなる。

7. 専門性の民主化

✅:これまで専門家でなければ扱うことが難しかった分野に、広範で高コストなトレーニングを受けなくとも、誰でも簡単にアクセスできるようになるということ。

専門家でなければ扱うことが難しかった分野

  • 技術的な専門性(MLやアプリ開発など)
  • ビジネス分野の専門性(セールスプロセスや経済分析など)

→ これまでは広範で高コストなトレーニングを受ける必要があった。

専門性の民主化の例

  • 市民アクセス
    • 市民データ・サイエンティスト
    • 市民インテグレーターなど
  • 市民開発
  • ノー・コード・モデルの進化

民主化のトレンド

2023年末までに、以下4つの民主化が加速するとガートナーは予測している。

  • データとアナリティクスの民主化:データ・サイエンティストを対象とするツールから、専門の開発者コミュニティを対象とするツールへの拡大
  • 開発の民主化:カスタム開発されたアプリケーションでの人工知能 [AI] ツールの活用
  • 設計の民主化:アプリケーション開発の追加機能を自動化してロー・コード開発やノー・コードのトレンドを拡大することによる、市民開発者の強化
  • 知識の民主化:IT部門以外のプロフェッショナルがツールやエキスパート・システムにアクセスすることによる、自らの専門知識やトレーニングの範囲を超えた専門スキルの活用と応用

😃:新型コロナで目立ったオープンデータによるデータ解析も専門性の民主化の例だと思う。あとは、Microsoft Power Automate (以前の Microsoft Flow) やIFTTTのようなコーディングがいらないけどさまざまなアプリケーションを連携させて自分好みにカスタマイズできる仕組みも開発や設計の民主化に当たる。

参考:データ解析を民主化せよ 新型コロナで重み増す「オープンデータ」:日経ビジネス電子版

参考:Microsoft Power Automate | Microsoft Power Platform

8. ヒューマン・オーグメンテーション (人間の拡張)

✅:ウェアラブルバイスなどを人体に装着・移植することで、人間の身体能力や認知能力を強化すること。

  • 身体能力の拡張
    • 外骨格のように構造的に身体能力を増強するもの
    • 機能性電気刺激 (FES) によって筋肉を駆動するもの
    • 義手・義足のように身体機能を補綴するもの
  • 存在の拡張
    • 存在の限界をとりはらい、遠隔地での(共同)作業を可能にするもの
      • テレプレゼンス
      • テレイグジスタンス(Telexistence)
  • 知覚の拡張
    • 視覚や聴覚、感覚を技術で強化する
  • 認知能力の拡張
    • 何かを理解したり習得したりするプロセスそのものを拡張する
      • 体外離脱視点を人工的に提供する
      • スポーツなどの技能習得能力そのものを向上させる

関連して知っておきたい用語

スマートスペース

✅:テクノロジーによって実現される人間が存在する物理環境またはデジタル環境のこと。

参考:ガートナーが選出! 2019年に向けてCIOが知っておくべき10の技術トレンド|2ページ目|ソリューション|IT製品の事例・解説記事

テレイグジスタンス

✅:VRバーチャルリアリティ)の一分野で、遠隔地にある物(あるいは人)があたかも近くにあるかのように感じながら、操作などをリアルタイムに行う環境を構築する技術およびその体系のこと。

参考:テレイグジスタンス - Wikipedia


💬:一言で言うならば、「人間の身体能力の瞬間移動を可能にする技術」です。遠隔地にいるロボットが自分のアバター(分身)となり、まるで自分が現地にいるかのように、物を見たり、感じたり、動かしたりすることができます。


引用:5Gが実現する次世代テクノロジー「テレイグジスタンス」とは? | 電通テックの公式メディアBAE

→ 人間が行く事が困難な場所での作業が実現可能となる。

例:

  • 危険な場所での作業
  • 宇宙空間での開発
  • 遠隔旅行

9.透明性とトレーサビリティ

✅:個人情報の管理とセキュリティに関するリスクの高まりに呼応するように、透明性と追跡可能性がますます重要視される。

10. エッジ機能の拡張

✅:エッジ・コンピューティングが重要となる。その狙いは遅延の低減、エッジ機能の活用、エッジにおける自律性の向上にある。

関連して知っておきたい用語

エッジ・コンピューティング


💬:エッジ・コンピューティングとは、情報の処理およびコンテンツの収集と配信が、情報の発生源やリポジトリ、消費者に近い場所で行われるコンピューティング・トポロジを指します。


引用:ガートナー、2020年の戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10を発表

11. 分散型クラウド

✅:さまざまなパブリック・クラウド・サービスを用いること。サービスの運用、ガバナンス、アップデートに対しての責任もパブリック・クラウド・サービス・プロバイダにある。

  • As-Is:一元化モデル
  • To-Be:分散化モデル

クラウドコンピューティングの大きな転換点を迎えている。

12. 自律的なモノ

✅:AIを利用して自動化した物理デバイスのこと。周囲の環境や人とより自然にやりとりする高度な振る舞いを実現できる。

例:

  • ロボット
  • ドローン
  • 自律走行車/自律航行船
  • 自律型機器

💡:現在は規制されるものも多いが、今後は徐々に社会で受け入れられるようになり公共スペースにおいても自律的なモノの利用が進むと考えられている。

💡:自律的なモノが増えると、単独型 → 協調型へシフトするとも予測されている。複数のモノ(デバイス)が連携することによって効率的なソリューションが生まれる可能性がある。

😃:自律的なモノの連携を促進するには共通インターフェース化(API化)も背景に必要だと思われる。


💬:宅配市場で最も効果的なソリューションとして考えられるのは、配送地域への荷物の輸送に自律走行車を使用することです。車両に搭載されたロボットやドローンが、配達先に荷物を配達できます


引用:ガートナー、2020年の戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10を発表

13. 実用的なブロックチェーン

✅:ブロックチェーンには「資産をその起点まで追跡できる」という特性があることで、ビジネス・エコシステム全体にさまざまな価値を提供することができる。現時点では未成熟な技術だが、今後技術的な課題が解消されていくことでディスラプション(創造的破壊)や売上の創出につながる可能性が高い。

ブロックチェーンが提供する価値

  • 信頼の提供
  • 透明性の提供
  • 追跡可能性の提供
  • コストの削減
  • 決済時間の短縮
  • キャッシュフローの改善

ブロックチェーンの活用例

  • サプライチェーン全体にわたって食品を追跡して汚染源を特定しやすくする
  • 個々のパーツを追跡して製品リコールの際に役立てる
  • アイデンティティ管理に役立てる
  • 商品を受領したら支払い処理が行われるなど、イベントをアクションのトリガーとする

ブロックチェーンの技術的な課題

  • 拡張性に欠ける
  • 相互運用性に欠ける

など。

14. AIのセキュリティ

✅:AI/MLは人の意思決定を強化する。そのためにIoT、クラウド、自律的なモノなどが活用されるが、それらが潜在的な攻撃ポイントの増大につながっている。

今後重要となるセキュリティ

  • AI搭載システムの保護
  • AIを活用したセキュリティ対策の強化
  • 攻撃者によるAIの悪用を見越した対応

以上